Friday, May 26, 2017

学生の顔ヒゲの変遷、100年分


University Graduate Facial Hair Styles 1898-2008 [OC] : dataisbeautiful

ネットで公開されている大学の卒業アルバムをもとに、学生の顔ヒゲの有無と形を調べ、その割合をグラフにしたもの。
グラフの作成者によれば、材料を得た先は、パデュー大学(アメリカ)、マギル大学、ダルハウジー大学、セント・メアリーズ大学(以上、カナダ)の4校で、集計は手作業で行い、ヒゲの形状の分類は恣意的という(overview for Mystic_Toaster)。サンプルには(おおいに)偏りがあるが、北米(さらに先進諸国)の若者の動向をおおまかには捕らえているのではないか。

グラフのうち広い部分を占める青色が「ヒゲ無し」の割合。
「ヒゲ有り」の割合がピークに達した1973年は、世界的な高度経済成長が第1次石油ショックで頓挫した年で、その後の「ヒゲ有り」の退潮も経済成長の鈍化と並行している。このことから、ヒゲの消長と経済情勢の因果関係を仮定できる。経済データを当たってみようか。

60年代からの顔ヒゲ普及、きっかけはビートルズ、背景は経済成長


Nathan Yauさんのツイート: "A century of facial hair styles, based on manual tally from old university yearbooks https://t.co/2X97895bbC https://t.co/pcnIh5adgf"

大学の卒業アルバムをもとにヒゲの有無と形を調べ、その割合をグラフにしたもの。対象となった大学は、パデュー大学(アメリカ)、マギル大学、ダルハウジー大学、セント・メアリーズ大学(以上、カナダ)の4校で、集計は手作業で行われ、ヒゲの形状の分類も恣意的なものという(Mystic_Toaster comments on University Graduate Facial Hair Styles 1898-2008 [OC])。したがってサンプルには(おおいに)偏りがあるが、時代の傾向は捕らえているのではないか。
グラフのうち広い部分を占める青色が「ヒゲ無し」の割合。
「ヒゲ有り」の割合がピークに達した1973年は、世界的な高度経済成長が第1次石油ショックで頓挫した年で、その後の「ヒゲ有り」の退潮も経済成長の鈍化と並行している。このことから、ヒゲの有無と経済情勢のあいだに因果関係を仮定できる。

若者(男性)の髪型とヒゲについては、ザ・ビートルズの影響を考えたい。
ビートルズの世界への登場(1963年)以後、七三などの無難な髪型からマッシュルームカットやその延長であるボサボサ髪に真似る者が、先進国の若者のあいだで増えた。不良や伊達者の(総じて反抗的・反体制的)髪型である超短髪やリーゼントもボサボサ髪に移行した。
そしてビートルズがヒゲを伸ばすと、若者たちもヒゲを蓄えるようになった。上のグラフでヒゲ有りが増えはじめる60年代後半は、ビートルズがヒゲを伸ばしはじめた時期と一致する。
ビートルズのメンバーがヒゲを生やしはじめたのは66年の後半かららしく、翌67年発売のアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)のジャケットでは、4人がそろって口ひげを生やして写っている。グラフで学生たちのヒゲが増えはじめるのが、ちょうどその1967年。当時のビートルズの影響力からして、彼らのヒゲがきっかけで学生がヒゲを伸ばしはじめた可能性は十分考えられる。


The Beatles: A Decade in Facial Hair vs. Fashion - Ünnecessary Ümlaut